中国語に限らず何かを学習によって習得するときは、最短の時間で最大の効果を得たいですよね。
中国語を習得するには長い学習期間が必要ですが、最初から「限られた時間の中で最大の学習効果を得る」という心体で学習に望めば結果は違ってくるはずです。
そこで、今回ご紹介するのは、米心理学者のクリス・ロンデール氏が提唱する「言語習得の5つの原則」を中国語学習に当てはめてフォーカスしてみました。
これから中国語を習得しようと考えているはもちろんですが、中国語初級から中級者にも参考になるはずですので最後までご覧ください。
①自分に関係する言語である
どんな言語を学ぶにしても目的がはっきりした方が上達は早い。あなたの中国語を習得する目的は明確でしょうか?
将来中国語を活かして仕事をする。中国文化、歴史等なんでも構いませんが何か一つでも中国が好き、中国語が好きであれば習得は加速します。
分かり安く例えると、ある技能を一晩で習得しないと明日あなたはこの世を去ると宣告されたら、きっと一晩でその技能を習得できると思います。
あなたの生存や将来の計画、友達作り、お金を稼ぐため等の欲求に関係ないことならそこに時間と努力をかける必要性が低いのです。
まずは、何かの目的を持って中国語を自分に関係する言語として学ぶ方が習得は加速します。
私個人的な考えとしては、中国語は日本人にとって年齢に関係なく学びやすい言語の一つだと思います。
最初は中国に関して強い関心や興味がなくても、学習しているうちに何かに興味が出てきたり、旅行に行ってみたくなったりして、後付けで習得する目的が定まる人もいるはずです。
最初はゆるく、なんとなく始めてから自分との関係を見出すでもありだと思います。
②中国語をツールとして使う
言語学習者の多くは多くは外国語を「知識」として覚えるという根本的な間違えを犯しております。
言葉は「知識」ではなく「技能」である。
学校で英語の授業を受けてきた私たちは、外国語を化学や歴史と同じような感覚で勉強してしまう習慣がついております。
言語の習得は口周りの筋肉を鍛える必要があります。それから、喉(発声)、耳(ヒアリグ)も鍛える必要がある。
結論として言語はツールであること、一つのツールでありそれは技能である。
これが分かった上で何度もトレーニングをすることによって習得できるのです。
私の中国語の基礎は中国留学によって身につけました。
その当時この原則のことは知りませんでしたが、現地に身を置くことによって強制的に技能が鍛えられたといえます。
国内で中国語に限らず外国語を習得するには、この原則を理解した上で学習した方が効率的なのは納得できます。
③理解して無意識に習得
一つの文の中で全ての単語の意味が分からなくても、別の方法でその意味を知ることができます。
例えばある人が中国語であなた向かって、「そのペットボトルをとって下さい」とお願いをされたとします。
しかし、あなたは「ペットボトル」や「下さい」等の単語をまだ知らないとします。
中国語でお願いをする方はペットボトルを指差してから自分の方へ手をあおるジェスチャーをします。
あなたは、そのボディランゲージによって何を言っているのか、その意味を理解することができるのです。
そして、あなたはペットボトルを手にとってお願いをした人に手渡します。
この時、あなたは同時に無意識的にその音を覚えるのです。
これは中国語を話す相手がいないとできないのではないか・・・と思われますね。
いいえ違います!
中国語の映画、ドラマ、音楽鑑賞でこれを意識してやればいいのです。
私の留学時代はあまり聞き取れなくても寮のテレビを流しっぱなしにしたり、日本の少女漫画「花より男子」を実写化した台湾ドラマのDVD「流星花園」を何度も何度も繰り返し視聴ました。
この「理解して無意識に習得」という原則を理解していれば、受け身であまり学習にならないと思える中国語の映画、ドラマ、音楽鑑賞も効果的な学習になっているといえますね。
④生理学的なトレーニング
①の原則の中で言語は「知識」ではなく「技能」と述べました。その「技能」をどうやってトレーニングするのかを生理学的な側面から理解するのが今回④の原則になります。
それでは具体的には下記の4つの項目に分科できます
音読トレーニング
中国語を習い始めた時に口の周りの筋肉が疲れたり舌がうまく使えずもどかしい思いをしたことはありませんか?中国語のピンインには日本語にはない多くの発音が含まれております。
これによって、普段は使わない口周りの筋肉を舌の動きよって発音や音読の練習を長くすると疲れます。
つまり、発音や音読の練習は筋トレに等しい「肉体的トレーニング」であると理解する。
リスニングトレーニング
母国語は幼い頃からずっと話し、聞いているので、脳はもうその音に慣れている。
しかし、中国語を聞いた時はフィルターがかかっているようで頭に入ってこない。聞き慣れない音は脳によって濾過されてしまうのです。
人は幼い頃から聞きなれない音は、大人になったら聞こえなくなるという説があるそうです。
近年の研究によると、「虫の鳴き声」は日本人とポリネシア人にしか聞こえないという事実が判明したそうです。
これとリスニングに何が関係があるかといえば、意味がわからず聞き取れない音(言語)も浴びるようにたくさん聞くことは有効的に働くのです。
つまり、リスニングも耳の「肉体的トレーニング」といえます。
記憶トレーニング
人の脳は新しい神経回路を作るために科学的な反応が必要です。
もし体が疲れていたり、緊張しすぎている状態のときも脳は記憶を作る働きをしなくなります。
疲れているときは休憩も非常に重要です。
新しい神経回路を作るには繰り返し、繰り返しトレーニングする必要があります。
つまり、記憶も「肉体的トレーンング」であるといえます。
⑤良い精神状態を保つ
言語以外でも言えることですが、良好な精神状態を保って学習を続けることは非常に重要です。
それは学習の効果に大きく関係してきます。
例えば、中国人と話そうとするときに、頭が真っ白になって手に汗を握って知っている単語も口から出てこなくなる。
発音や文法を言い間違えたら恥ずかしい、笑われるという結果を思い浮かべたら話せなくなる経験はありませんか?
こういう心理があると中国語を話すのが怖いしストレスもたまります。
それでは、これをどうやって克服すればいいのかといえば、「ただの遊びだと思う」だけです。
原則の提唱者であるクリス・ロンデール氏はこの質問をされたらいつのこう答えるそうです。
「もし言い間違えたら地球が爆発するか?」
「間違えても地球は爆発しないから、そんなことは大したことはないよ」
とは言ってもですよ・・・。
私もそうでしたが、緊張するなと言われても緊張しますし、全然話が通じなくて笑われたくないと思います。
人それぞれでいいのです。
何事もそうですが、なるべく楽しんで行った方が習得は早いとうことですね。
まとめ
最後にもう一度おさらいをしておきます。
米心理学者のクリス・ロンデール氏の提唱する「言語習得の5つの原則」を中国語学習にあてはめてお伝えいたしました。
5つの原則とは下記のとおりです。
①自分に関係する言語である
②中国語をツールとして使う
③理解して無意識に習得
④生理学的なトレーニング
⑤良い精神状態を保つ
語学の習得はこれらの「5つの原則」を意識して学習した方が断然効率が良いとされております。
初級者に限らず中級、上級者、またはこれから他の言語を学習しようとしている方にも参考になりますよね。